執筆者
院長 土井 たかし
資格・所属等
- 日本内科学会 総合内科専門医
- 認知症サポート医
- 日本禁煙学会 認定専門指導者
- MINT member(Tallinn 2019)
- 日本医師会認定産業医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 日本サッカー協会認定コーチ(D級)
- 西京区認知症地域ケア協議会 実行委員会
- NPO法人京都禁煙推進研究会 理事長
- 日本禁煙学会 評議員
高血圧とは、血管にかかる圧力が慢性的に高くなっている状態を指します。一般的には、診察室で測定した血圧が収縮期血圧(上の血圧)140mmHg以上、または拡張期血圧(下の血圧)90mmHg以上の状態が続く場合に高血圧と診断されます。
日本では高血圧の方は非常に多く、成人の約3人に1人が該当するといわれています。高血圧は初期にはほとんど自覚症状がないことが多く、気づかないまま長期間続いてしまうことがあります。そのため「サイレントキラー(静かな殺し屋)」とも呼ばれています。
血圧が高い状態が続くと血管に負担がかかり、動脈硬化が進みやすくなります。将来的に心臓や脳、腎臓などの重要な臓器に影響を及ぼす可能性があるため、早めに原因を理解し適切に管理することが重要です。
高血圧には大きく分けて二つのタイプがあります。多くの方にみられるのが「本態性高血圧」と呼ばれるもので、はっきりとした原因が一つに特定できないタイプです。遺伝的な体質に加え、日常生活の習慣が重なることで発症します。
食事の塩分量が多い生活は血圧を上昇させやすく、日本人に多い原因の一つとされています。また、肥満や運動不足、過度の飲酒、喫煙、慢性的なストレス、睡眠不足なども血圧に影響します。
一方で、腎臓の病気や内分泌の異常などが原因となる「二次性高血圧」もあります。この場合は血圧を下げる治療と同時に、原因となる病気の治療が必要になります。
高血圧は生活習慣と深く関係しているため、日常生活の傾向によってリスクが高くなることがあります。特に次のような傾向がある方は注意が必要です。
これらの要因が重なることで、血圧は徐々に上昇しやすくなります。
高血圧は多くの場合、自覚症状がほとんどありません。そのため、健康診断や家庭での血圧測定によって初めて気づくケースが多い病気です。
血圧が高い状態が続くと、次のような症状がみられることがあります。
ただし、これらの症状は必ずしも高血圧によるものとは限りません。症状がなくても血圧が高い場合も多いため、定期的な測定が重要です。
高血圧を長期間放置すると、血管に負担がかかり動脈硬化が進行します。その結果、さまざまな病気のリスクが高くなります。
心臓では心肥大や心不全、狭心症、心筋梗塞などが起こる可能性があります。脳では脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患の原因となります。また、腎臓の血管にも影響が及び、腎機能の低下や腎不全につながることもあります。
症状がない段階から血圧を適切に管理することが、これらの病気を予防するうえで重要です。
診察室では緊張などによって血圧が高く測定される「白衣高血圧」が起こることがあります。そのため、高血圧の評価では家庭での血圧測定がとても重要です。
測定は、朝起きた直後(トイレ後・朝食前)と夜寝る前の1日2回が基本とされています。記録した血圧を診察時に持参していただくことで、より正確な状態を把握することができます。
当院では、血圧の状態を確認しながら生活習慣の見直しを中心とした治療を行っています。食事の内容や減塩の工夫、日常生活で取り入れやすい運動などについても丁寧に説明し、患者様の生活スタイルに合わせた改善方法を一緒に考えます。
生活習慣の改善だけでは十分に血圧が下がらない場合には、必要に応じて降圧薬による治療を行います。血圧は長期的に管理していくことが大切なため、無理なく続けられる方法を大切にしています。
健康診断で血圧を指摘された方や、ご自身の血圧が気になる方はお気軽にご相談ください。